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足そのもののクッション性と機能低下に注目しましょう
巻き爪や爪のトラブルについて相談を受けると、多くの方が最初にこう言います。
「靴が悪かったんでしょうか?」
「履き物が合っていなかったんですか?」
確かに、靴や履き物は巻き爪や爪トラブルに影響します。
一般の方でもイメージしやすいかと思いますが、
サイズの合わない靴、先の細い靴、足に合わないサンダル、足や指を締め付けるようなストッキングやソックスなどは、
爪に負担をかけるため巻き爪や爪の変形の一要因になります。
これは間違いない事実です。
ですが、ここで大切なのは
「一要因になる」のであって必ずしも「主たる原因」となっているわけではないと言うことです。
爪トラブルの原因を、すべて履き物だけのせいにしないことです。
あなたの巻き爪、陥入爪、爪甲鉤彎症、厚い爪などの主原因が靴だけであるとは言い切れません。
私の経験からも、
また爪トラブルを抱えた患者様の数々の足を測定してきて
実際には、巻き爪や爪の変形には、足そのものの機能低下が大きく関係していることの方がケースとして多いと言うことです。
結論:問題は「靴」だけでなく「足の土台」にあります
巻き爪や爪トラブルは、爪だけの問題ではありません。
多くの場合、その背景には
* 足の骨格の崩れ
* 足のアーチ低下
* 足裏のクッション性低下
* 足指の機能低下
* 圧力の偏り
といった、足そのものの問題が隠れていることがあります。
つまり、履き物や靴は巻き爪や爪変形のきっかけになっていても、根本には
足の土台が崩れているという方が問題と言えるのです。
足には本来「クッション」の役割があります
人の足は、ただ地面に接しているだけではありません。
足にはアーチ構造があり、歩く・立つ・走るといった動きの中で、体重を支え、衝撃を吸収し、圧力を分散する役割があります。
靴以上に歩行時などの体への衝撃から体を守るためのクッション材なのです。
このクッション機能がしっかり働いていると、足裏全体で体重を支え、爪にも適切な圧力がかかります。
しかし、足の骨格が崩れたり、アーチが低下したりすると、このクッション性が弱くなります。
つまり爪に適切な圧力が加わらず巻き爪になることがあります。
また、足のアーチ構造が崩れて、逆に歩行時や立位の足の圧力分散が偏り、爪に過剰に圧力が加わる場合もあります。
この場合もまた爪が変形することになります。
靴を変えても改善しない理由
巻き爪や爪トラブルで、靴を変える方は多くいます。
もちろん、身につける靴や靴下、ストッキングなどの履き物を見直すことは大切です。
しかし、靴を変えても再発する方がいます。
それは、靴だけが原因ではなく、足そのものの問題が残っているからです。
長年の筋力低下、歩行習慣、靴や履き物により変形した足の骨格は簡単には元に戻せないのです。
例えば
* 浮き指
* 扁平足
* 開張足
* 外反母趾
がある場合、靴を変えても、足にかかる圧力の偏りは残ります。
そのため、爪への負担も変わらず、再び巻き爪や爪トラブルが起こることがあります。
変形爪(爪甲鉤彎症や肥厚爪)も同じことが言えます。
爪の変形が生じた段階で、靴や履き物を改善するだけで爪は元に戻る!わけではないのはこの理屈です。
足の骨格が崩れると爪にも影響する
足の骨格が崩れると、体重のかかり方が変わります。
例えば、扁平足や開張足になると足裏のアーチが低下し、足全体のバランスが崩れます。
外反母趾がある場合は、親指の向きや力の入り方も変わります。
その結果、爪にかかる圧力が偏り、巻き爪や爪の変形につながることがあります。
爪は足の先端にありますが、爪だけで問題が起きているわけではありません。
足の骨格、足指、歩き方、履き方など様々なものから影響を受けているのです。
下部の写真は、足底にかかる圧力を測定した実際の例です。
外反母趾傾向のある2名の巻き爪のかたの足の圧力分布状況ですが、
足底の着地がまばら、浮指になっていたりと一般の方でもわかりやすく不均一な状態となっています。
このような顕著な例とまではいかなくとも、実は「ほぼ皆」と言っていいくらい非常に多くの方が大小含め、何かしらの足の骨格的な崩れが生じているのです。
知らず知らずのうちに、足の機能が低下し、爪に影響が及んでいると言うことです。

巻き爪患者 HV角度 左右足 約50度の外反母趾 女性の足の圧力分布

巻き爪患者 HV角度 右足60度の外反母趾 女性の足の圧力分布
現代人は足の機能が低下しやすい
現代では、足をしっかり使う機会が減っています。
* 仕事でハイヒールやストッキングを履かないといけない
* 車移動が多い
* デスクワークが多い
* 歩く量が少ない
* 脱ぎ履きしやすい靴を選びがち スリッパやサンダル
* 足指を使わない歩き方になっている
こうした生活習慣によって、足の筋肉や足指の機能が低下しやすくなっています。
その結果、足のクッション性やバランス機能が低下し、爪トラブルが起こりやすい状態になります。
巻き爪は「足の機能低下のサイン」
巻き爪は、単に爪が巻いているだけの問題ではありません。
足の骨格が崩れ、足指が使えず、足裏の圧力が偏っていることを知らせるサインでもあります。
だからこそ、巻き爪を見たときには
どんな靴を履いていたか
だけでなく、「足」そのものが正しく機能しているかを見ることが大切だと考えています。
当院の考え方
当院では、巻き爪や爪トラブルを「爪だけの問題」とは考えていません。
爪の状態だけでなく、
* 足の骨格
* 足裏の圧力
* 足指の使い方
* 歩き方
* 靴の選び方
を総合的に考えることが大切だと考えています。
靴を見直すことも重要です。
しかし、それだけでは不十分な場合があります。
根本的には足のクッション性を取り戻すこと
足そのものを理想的に正しく使える状態に近づけること
足の機能を整えることが、爪トラブルの予防につながります。足のアンチエイジングですね。
まとめ
巻き爪や爪トラブルは、履き物だけが原因とは限りません。
もちろん靴は大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、足そのものの機能です。
足の骨格が崩れ、クッション性が低下し、足指が使えなくなると、爪にかかる力も変わります。
その結果、巻き爪や爪の変形が起こりやすくなります。
巻き爪を
靴の問題だけで終わらせず、
足そのものからのサイン
として捉えることが大切です。
〜監修・コラム著者〜
寺建 文博(てらだて ふみひろ)
巻き爪矯正院グループ代表 通称:巻き爪先生
著書:『巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
著書:『図解 巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
図解 巻き爪は切るな!は一般の方にもわかりやすくQ&Aの解説、イラストや絵でわかりやすい内容です。
巻き爪を「爪の問題」ではなく
歩行機能のサインとして捉えるケアを提唱し、
全国で施術・指導・講演・出版活動を行っている。










