「一度治したら、もう二度とならない」は本当か?
巻き爪の施術をしていると、患者様に非常によく聞かれる質問があります。
「巻き爪って完治するんですか?」
「一度矯正したら、もう二度と巻かないですか?」
この質問に対して、私はこうお伝えしています。
巻き爪は、再発するものと考えてください。
巻き爪は、さまざまな原因が重なって起こるため、原因となる環境や足の状態が残っていれば、再び巻いてくる可能性があります。
風邪に例えると分かりやすい
巻き爪の「完治」を考えるとき、風邪に例えると分かりやすいかもしれません。
風邪をひいて治ったからといって、
「もう一生、風邪をひかない」
とは誰も考えません。
一度症状が治まっても、
- 疲労
- 睡眠不足
- 体調変化
- 感染環境
などの条件が重なれば、また風邪をひくことがあります。
巻き爪もそれと似ています。
一度爪の形が平たく改善しても、
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- 足の骨格の崩れ(外反母趾、扁平足、浮指 etc)
- 足にかかる圧力の偏り
- 足指が正しく使われない歩行
- 足の機能低下
- 歩行量の低下
- 爪の切り方
- 合わない靴
などの要因が残っていれば、再び巻いてくる可能性があります。
つまり、
「爪が広がった=巻き爪になった原因までなくなった」ではない
ということです。
「靴を変えれば治る」とは限りません
巻き爪の原因について、多くの方が
「靴が悪かった」
「ハイヒールを履いていたから」と考えています。
もちろん、サイズの合わない靴や先端の細い靴などが巻き爪に影響することはあります。
しかし、靴だけですべてを説明することはできません。
例えば今日からハイヒールを履くのをやめたとしても、すでに生じた
- 外反母趾
- 扁平足
- 開張足
- 浮き指
- 足指機能の低下
などの足部の問題が、その日から突然元に戻り、なくなるわけではありません。
爪にかかる圧力や歩き方も、すぐに正常にはならないのです。
だから、
「靴を変えたのに、また巻いてきた」
ということが起こるのです。
実は大きい「足そのもの」の問題
巻き爪を考えるうえで、見落とされがちなのが
足部の骨格とその機能
です。
人間の足には本来、アーチ構造があります。
このアーチは体重を支え、歩いたときの衝撃を吸収し、足裏にかかる圧力を分散する役割を持っています。
しかし、
- 扁平足
- 開張足
- 外反母趾
などによって足の骨格バランスが崩れると、足裏にかかる圧力も偏ります。
さらに足指が正しく使われなくなると、爪にも本来必要な力がかからなくなります。
その結果として、爪が巻きやすい環境ができてしまうのです。
爪は「足から受ける力」の影響を受けています
爪は単独で存在しているわけではありません。
歩くとき、足指が地面を踏むことで、爪には下から力が加わります。
この力と、爪自身が内側へ湾曲しようとする力のバランスによって、爪の形は保たれています。
ところが、
足指が使われない
-
-
- ↓
地面から爪にかかる力が減る
↓
爪が内側へ巻きやすくなるという状態になることがあります。だからこそ、巻き爪を考えるときには爪だけではなく、足指が使えているか、足の骨格がどうなっているか、どのように歩いているか
まで見る必要があります。
こちらを説明すると
自分自身は「私は足指はしっかり使えている。」「私は足の骨格的な崩れもない」「私は歩き方も普通だ!」と思う方が非常に多く、
経験上は自覚症状がないものだと考えています。 - しかし、その方々の足底バランスや圧力状況をデジタルフットプリンターで測定し、
可視化すると色々な問題や機能低下が存在することが事実なのです。
巻き爪矯正は「ゴール」ではなく「スタート」
巻き爪矯正によって爪の形がきれいになれば、それで終わりと思われるかもしれません。
しかし私たちは、むしろそこからが大切だと考えています。
爪の形を整えたあとに、
- 正しい爪の切り方
- 靴の選び方・履き方
- 足指の使い方
- 歩き方
- 足の状態の定期的な確認
を行うことが、再発予防につながります。
歯科でも、虫歯を治療したあとに歯磨きをやめてしまえば、また虫歯になる可能性があります。
足も同じです。
「完治」よりも「再発しにくい足」を目指す
巻き爪に対して本当に大切なのは、
「一度治したら二度とならない」
という考えではありません。
むしろ、
なぜ自分は巻き爪になったのかを知り、再発しにくい状態を維持すること
です。
痛みが出ている場合など含めて、対処療法として爪の形を整えることは大切です。
しかしそれと同じくらい、
- 足を正しく使う
- 歩く
- 足指を使う
- 足に合った靴を選ぶ
という足環境が重要です。
再発したから「失敗」ではありません
もう一つ大切なことがあります。
巻き爪が再び起こったからといって、
「矯正が失敗した」
とは限りません。
巻き爪は、日常生活の中で常に力が加わっている足に起こる問題です。
体重も、歩行量も、靴も、筋力も、年齢とともに変化します。
そのため、一度整えた爪でも再び変形することがあります。
大切なのは、
再発しないことだけを目標にするのではなく、早く気づき、ひどくなる前に対処できること
です。
これが予防フットケアの考え方です。
まとめ
巻き爪は、爪だけの問題ではありません。
その背景には、
- 足部の骨格の崩れ
- 足指機能の低下
- 歩き方
- 靴
- 爪の切り方
- 加齢や活動量の変化
など、多くの要因があります。
だからこそ、一度爪の形を整えただけで「永久に完治」と考えるのは現実的ではありません。
風邪が治っても、条件が重なればまた風邪をひくことがあるように、巻き爪も原因となる環境が残れば再発する可能性があります。
繰り返しにはなりますが大切なのは、
「巻き爪を一度治すこと」ではなく、「巻き爪になりにくい足を維持すること」。
巻き爪の問題は爪自体よりも足部に何かしらの原因があることが多いのです。
それは普段自分自身では気付けないことが多い足部の問題なのです。
巻き爪をきっかけに、自分の足の状態を見直してみることが、再発予防への第一歩です。関連コラム 「巻き爪は自然に治る?」もぜひ読んでください。
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監修・著者
寺建 文博(てらだて ふみひろ)
巻き爪矯正院グループ代表 通称:巻き爪先生著書:『巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
著書:『図解 巻き爪は切るな!』(河出書房新社)巻き爪を「爪の問題」ではなく
歩行機能のサインとして捉えるケアを提唱し、
全国で施術・指導・講演・出版活動を行っている。
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