実は多くの場合、原因は“靴”以外にあります
巻き爪の相談でよく聞かれる言葉があります。
「この靴が悪かったんでしょうか?」
確かに、きつい靴を履くことで巻いた爪が押し込まれて、皮膚に食い込み痛みが強く出ます。
しかし結論から言うと、靴は原因ではなく“きっかけ”であることがほとんどです。
結論:巻き爪は靴ではなく“足自体の問題”で起きます
超高齢社会を迎えた日本ですが、老若男女問わず「足の高齢化」していると言えます。外反母趾、扁平足、浮指など足の骨格崩れが多く見られ、足底の圧力の分散ができていない、本来の機能が衰えてきて不健康な足になってきています。
巻き爪に気づくまでのフロー例
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足の指が正しく使われなくなる(足の骨格の崩れなどによる機能低下)
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地面からの圧力が爪にかからなくなるな。また、偏った圧力の加わり方になってします。
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爪が内側へ巻く(爪が変形する)
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靴に当たって痛みが出る
つまり
靴が巻き爪を作るのではなく
巻いた爪が靴に当たって痛みになる
これが本当の順番です。
語弊がないように、強調しますが、習慣的に履いてきた靴によって巻き爪になるということももちろんあります。靴によって、骨格的な歪みを発生させ、巻き爪になるのも1つの原因です。ただ一概に「靴のせい」にするというのは間違った考えで、多くの場合は足の方に原因があり、何らかのトラブルを抱えている可能性が非常に高いということです。

なぜ靴が原因だと思われるのか
靴を履いた時に強く痛みを感じるからであり、また靴を履く時というのは歩行したり、走ったりと、足や指に負担がかかる環境の時だからです。
裸足では痛くない
↓
靴を履くと痛い
↓
「靴のせいだ」
このように感じますが、
実際にはすでに爪の形が変わっているため
靴を履くことで巻き爪の問題に気づけた程度です。
また、よく患者さんからも大半の方からよく聞かれる「ハイヒールを履くから巻き爪になるんですよね?」という考え。ハイヒールが原因にはならないというわけではないのですが、1つの巻き爪の原因だけを切り抜いただけの思い込みの巻き爪原因であると言えます。
もしハイヒールが主原因とすれば、実際に当院にいらっしゃる巻き爪患者さんが皆ハイヒールを履いていることになりますがそんなことはありません。来男性でも巻き爪になっていますし、ハイヒールを過去にも履いたことがない、今も履いていないという方も大多数です。統計的にもハイヒールが主原因だとは言えませんね。
また、巻き爪の痛みが出ているときに、靴内部で指が当たることで痛みが出ないように指先の出たサンダルなどを履く方も多いのですが、一時的に指に負担がかからなくなるので、痛み自体は出にくくなるかもしれませんが、サンダルと言う履き、物自体は足にとって良い履き物とは言えません。長期的にまた習慣的に履いていると、足の骨格変形を招きやすいです。
本来、歩くと爪は平たく広がる
健康な足では歩くたびに指に体重がかかり、
爪は外へ広がりある一定のアーチが保たれます。
しかし
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歩幅が小さい
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指で蹴り出していない
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指が浮いている(浮指)
この状態が続くと
爪は広がる力を失い、巻いていきます。
靴を履いて歩かない寝たきりの方や年配の方が巻き爪になるというのが理解いただけると思います。
靴を変えても治らない理由
幅の広い靴に変えても
クッションの良い靴に変えても
再発することがあります。
それは靴が原因ではないためです。
指が使われない歩き方のままでは、
爪の形は再び戻ります。
何よりも、「どんな靴が足に良いか?」がそもそも誤った認識の方が多いと感じます。靴をただ闇雲に変えるよりも、まず先に靴の正しい選び方や履き方の考え方を変えることのほうが大切といえます。
靴が本当に影響するケース
もちろん靴が無関係ではありません。
・極端に小さい靴
・先端が細い靴
・成長期の足
この場合は変形を助長することがあります。
ただしこれは原因にもなりますし、巻き爪の進行を早める要因です。
当院の考え方
巻き爪は靴だけの問題として扱うのではなく、
足の機能の変化として捉える必要があります。
靴を変えることは対策の一部であり、
根本は「指が使える状態」に戻すことです。
まとめ
巻き爪は靴によって作られるのではなく、
指が使われなくなった結果として起こります。
靴の問題ではなく、あなたの大切な足の問題と考えてください。
靴は痛みのきっかけになることはありますし、巻き爪自体の1つの原因とは言えますが、
巻き爪の主たる根本原因とは言えません。
監修・著者
寺建 文博(てらだて ふみひろ)
巻き爪矯正院グループ代表 通称:巻き爪先生
著書:『巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
著書:『図解 巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
巻き爪を「爪の問題」ではなく
歩行機能のサインとして捉えるケアを提唱し、
全国で施術・指導・講演・出版活動を行っている。











