痛い巻き爪、でも大事な爪の役割とは

歩くという動作は、つま先で地面をけってもう一方の足を前進させます。そして、歩くときは足の爪があることで地面をとらえ、バランスを保つことができるのです。特に重要な足の親指の爪がなければ、歩く際の地面から受ける力に反発できません。
今回は、爪の持つ役割についてお話しします。

手の指先にある爪の役割とは?

爪のトラブルで最も多いのが巻き爪です。爪の端が内側に肉を巻き込んでしまうと、歩くことがつらくなるほど痛みます。

爪が痛みの原因になるのであれば、「足の爪がなくてもいいのでは?」と思うことがあるかもしません。しかし、手の爪はもちろん足の爪にも大切な役割があります。指先を保護し、手先、足先にかかる力を分散するために進化した皮膚が爪です。

手の爪は、人が物をもち細かな作業をする上で必要不可欠です。爪先の指の先端部分までは、骨は届いていません。
実は、指先に向かうほどに骨は先が細くなり、爪の下の中ほどまでしか伸びていないのです。それゆえ、人間に爪が備わっていなければ、はね返す力が足りず指先に思うように力を入れることができないのです。

小さな物をつかんだり、ペンで文字を書いたりすることが極めて困難となるでしょう。買い物するにしても、財布から小銭を取り出すことさえ難しくなります。手の爪がなければ日常生活に支障をきたしてしまうのです。

体重を支え歩く動作をサポートする足の爪

 

では、物をつかむ必要のない足の爪はどうでしょう。歩くことで指先は物にぶつかりやすくなるため、神経が集中している足先を守るという役目を果たしています。

さらに重要なこととして、歩行でかかる負荷から指先を支えています。歩くという動作は、つま先で地面をけってもう一方の足を前進させます。爪があることで地面をとらえ、バランスを保つことができるのです。

足の爪はケアが行き届かないことが多いですが、立ったり歩いたりするのになくてはならないパーツです。

そして厄介なことに、足の爪のトラブルは手より多く発生します。手指ではさほど重いものを長時間持ち続けることはありません。ところが足には、立っていても歩いていても全体重がかかってきます。あわせて地面からの衝撃もたびたび加わります。

とりわけ重要な役割を担うのが、体重を支える親指と左右の動きをつかさどる小指です。体重を支える際に、足の親指には他の指よりも大きく力がかかっています。足の指先の骨も、手と同様に指の途中までしか届いていません。そのため、足の親指に力が加わったとき、骨のない部分を爪が代わりに支えているのです。

爪がない場合の不具合

爪の病気で、足の爪の一部が欠けたりはがれ落ちたりすれば、歩行にも影響が出てきます。若く筋肉が十分にあれば、爪がなくても筋力とバランス感覚で補うこともできるかもしれません。それでも、高齢となり筋力が落ちてくればバランスを崩しやすくなり転倒のリスクも高まります。

歩行で重要な役割を担う足の親指の爪がなければ、歩く際の地面からの力に反発できません。指に力を入れることも、体重を支えることも難しくなるでしょう。

とりわけ、両足の小指はほかの4本に比べて小さくなっています。ケアの仕方が悪ければ、ほとんど残っていない場合もあります。しかし、小指の爪がなければ、足の指にかかる負荷を支えられない状態です。左右の動きに対応できにくくなるため、捻挫やひざ関節痛を起こしやすくなります。O脚やX脚の原因ともなります。

また、爪が病気によって変形することもあります。巻き爪や陥入爪(かんにゅうそう)などの症状が現れると、痛みが出ることがあります。そうなると、爪が適切に足の指にかかる負荷を支えられなくなります。

さらに、無意識のうちに指をかばい、歩行に偏りが出て骨盤がゆがみ腰痛になることもあります。バランスの悪い歩き方を続けることで、ふくらはぎが張り、うおのめやタコができやすくなります。ひどくなると上半身にも悪影響が及び、肩こり頭痛なども引き起こすのです。

肩こりや腰痛の原因が爪にある場合も

慢性的にひどい肩こりや腰痛に悩まされている人は少なくないでしょう。原因は多岐にわたりますが、マッサージや整体で治療してもすぐに元に戻ってしまう人は足の爪が原因になっているかもしれません。

足の爪がはがれたり欠けたりしていれば、足の指にかかる体重を支えられません。うつむいたまま歩いたり、腕を振らずに歩いたり、すり足で歩を進めたり…。体に負担を強いる歩き方を続けていれば、不具合が出てきます。

爪のトラブルと向き合い、正しい歩き方を取りもどせば肩こりや腰痛の改善も目指すことができるでしょう。

中高年ともなれば、つまずきやすくなり転倒のリスクが伴います。高齢者は転倒することでそのまま寝たきりになることがあるために、介護予防という点からも足の爪の状態を確認し、適切にケアすることが大切です。

高齢者の転倒は加齢で筋肉が衰えることが原因と思われています。しかし、足の爪のトラブルが転倒リスクを2倍にも高めているという説があります。年をとると老眼で見えにくくなり感覚も鈍ってくることから、足の爪にトラブルを抱えていても放置しがちだということが、転倒につながっていると推測されます。

足の爪は健康な生活を送る上で必要な部位です。変形や欠損は体全体のトラブルにつながる可能性があるので、適切に対処しましょう。

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