足のトラブルは「歩ける人生」に影響する
巻き爪というと、多くの人は
「爪が食い込んで痛い」
という局所的な問題を想像します。
もちろん、出血を伴ったり、化膿したりとそれ自体の問題も大きいのですが、
巻き爪は単なる爪のトラブルではありません。
巻き爪は歩き方や足の機能の変化のサインであり、
放置すると転倒リスクにも関わる可能性があります。
巻き爪だけでなく、厚くなった肥厚爪、何重にも重なって厚くなったように見える爪甲鉤彎症も同じことが言えます。
高齢者の転倒とロコモティブシンドローム
日本では高齢者の転倒が大きな社会問題となっています。
転倒は骨折や寝たきりの原因となり、
健康寿命を短くする大きな要因です。
こうした運動機能の低下によって
歩行や立ち上がりなどが困難になる状態を
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
と呼びます。
さらに加齢によって筋肉量が減少する状態は
サルコペニア(筋肉量減少症)
と呼ばれ、転倒リスクを高める要因として知られています。
実は「足の指」も重要な運動器
転倒の原因としてよく挙げられるのは
・筋力低下
・バランス能力低下
・視力低下
などですが、もう一つ見落とされがちな要素があります。
それが
足指の機能低下
です。
足の指は歩行の最後に地面を押し出す役割を持ち、
また体がふらついたときには地面をつかんでバランスを保ちます。
つまり足指は
・推進力
・バランス保持
という重要な役割を担っています。
巻き爪があると起きる歩行の変化
巻き爪になると、多くの人は痛みを避けるために
・指を浮かせて歩く
・体重を外側に逃がす
・歩幅を小さくする
といった歩き方になります。
すると
足指が使われない
↓
足の機能が低下する
↓
バランス能力が低下する
↓
転倒リスクが高くなる
という流れが起こる可能性があります。
痛みがなくても注意が必要
巻き爪は痛みがあるときだけ問題と思われがちですが、
実際には痛みがなくても
・足指が使えていない
・歩き方が崩れている
というケースがあります。
その結果
歩幅が小さくなる
↓
歩行速度が低下する
↓
サルコペニアやロコモティブシンドロームの進行
につながる可能性も指摘されています。
足から健康寿命を守るという考え方
歯を失うと食事が難しくなり、
全身の健康に影響します。
同じように、足の機能が低下すると
歩くことが難しくなります。
歩行は人の生活の基本です。
だからこそ
足のトラブルは
早めに管理することが重要です。
巻き爪技療士の役割
巻き爪技療士は、単に爪を整えるだけの仕事ではありません。
足腰(あしこし)をしっかり整えることも仕事なのです。
・爪の状態管理
・足の機能チェック
・歩行の確認
・再発予防
こうした管理を通して
歩行機能を守る役割を担っています。

まとめ
巻き爪は爪の問題に見えますが、
実際には足の機能低下=足腰が弱っているというサインであることがあります。
放置すると
・歩幅の低下
・バランス能力の低下
・転倒リスクの増加
につながる可能性があります。
巻き爪を「小さな爪のトラブル」と考えるのではなく、
歩ける人生を守るためのサイン
として捉えることが大切です。
監修・コラム著者
寺建 文博(てらだて ふみひろ)
巻き爪矯正院グループ代表 通称:巻き爪先生
著書:『巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
著書:『図解 巻き爪は切るな!』(河出書房新社)
図解 巻き爪は切るな!は一般の方にもわかりやすくQ&Aの解説、イラストや絵でわかりやすい内容です。
巻き爪を「爪の問題」ではなく
歩行機能のサインとして捉えるケアを提唱し、
全国で施術・指導・講演・出版活動を行っている。










